映像アイテムの基礎02:ハイビジョンとは何か
地デジに完全移行した今では16:9ワイド映像であるハイビジョンは当たり前の映像規格となっていますが、以前は4:3のSDという正方形に近い映像規格が一般的でした。また、今ではビデオカメラもハイビジョン対応が当たり前ですが、以前はやはり4:3のSD規格のビデオカメラしかありませんでした。
今回は、そもそもハイビジョンとは何か、ワイド映像とは何かということについて説明したいと思います。
なぜハイビジョンのことについて触れるのかというと、これは映像編集においてとても重要なことだからです。
例えば、SD映像の編集と比べるとハイビジョン映像の編集には比較にならないくらいのマシンパワーが必要になります。また、新郎新婦へのサプライズムービー用に撮影した映像素材がハイビジョンであった場合、式場への持ち込むのはDVDのため映像をダウンコンバートして編集する必要もあるため、ハイビジョンに対しては一定の知識が必要になるのです。
そもそもハイビジョンとは何か?
ハイビジョンとは、もともとNHKの放送技術研究所が開発した『高精細テレビ』の一方式で、当時は特に『BSアナログハイビジョン放送』のことを指していました。デジタル放送が始まった今では『デジタルハイビジョン放送』のことを指すようになりましたが、こういった『高精細テレビ放送』のことを世界では一般的に『HDTV』と言います。(『HDTV』のことを『ハイビジョン』と呼んでいるのは日本だけなんですよ!)。
ハイビジョンに関しては、一般的に以下のように説明されています。
ハイビジョンとは“卓越した表現力と臨場感を家庭用テレビでも楽しめる”ことを目標に規格されたHDTV(High Difinition Television)の呼称とその技術
ハイビジョン放送が普通となった今では“卓越した表現力と臨場感”という定義に『そんなにか?』と思う方もいるかと思いますが、従来のアナログ放送と比べればまさしく『こんなにも変わった!きれいになった!』と思います。4Kなどという当時では想像もつかない技術が生まれた現在を考えれば、将来的にはアナログ放送など過去の遺物となってしまいますが…
ところで、ブラウン管テレビ・ディスプレイを見たことが無いという方はいないかと面ますが、ブラウン管テレビと比べると、薄型テレビとは横幅が違うのがわかるはずです。
ハイビジョン放送は規格上、横縦比が従来の4:3から16:9へと横にワイドになっており、最近のテレビ・ディスプレイはこれに対応するためにワイドになっているのです。この横縦比のことを一般的にアスペクト比といいます。『人間の視野』は従来の4:3よりも16:9(ワイド)に近く、見え方としてはより自然なものとして私たちの目に映ります。これが当時では『卓越した表現力と臨場感』を生む1つの要素として大々的な宣伝ともなったんです。